ニュースリリース
大型内航アンモニア輸送船のコンセプトスタディを開始
~ 顧客満足・環境課題・船員不足に対応したサステナブル新船型の開発を推進 ~
旭タンカー株式会社(社長:春山茂一、本社:東京都千代田区、以下「旭タンカー」)は、株式会社商船三井内航(社長:小林洋、本社:東京都港区、以下「商船三井内航」)および株式会社イコーズ(社長:畝河内毅、本社:山口県周南市、以下「イコーズ」)と協働し、脱炭素エネルギーとしてのアンモニアを一度に大量に輸送することを可能とする大型アンモニア内航船を2028年から2029年頃に導入するためのコンセプトスタディを共同で実施することを合意しました。
<10,000㎥級内航アンモニア輸送船のイメージ>
現在、アンモニアは肥料原料としての利用が中心で海上輸送量も限定的ですが、脱炭素化の流れの中で、二酸化炭素を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして世界的に需要が高まっています。日本でも、外航船でアンモニアを輸入した後、電力事業者をはじめとする需要家まで内航船で二次輸送を行う新たな需要増加が見込まれています。
既存のアンモニア内航輸送は容量1,000㎥程度の船で行われていますが、経済性および昨今問題となっている船員不足への対応も視野に、10,000㎥級の大型アンモニア内航船の投入が有効と考えられます。
日本で初となる大型内航船による安定・安全輸送に加え、本コンセプトスタディでは、「省力」「安全」「ウェルビーイング」の3つを柱とする”サステナビリティ”を軸にしつつ、「GHG削減」「汎用性」「円滑な荷役」の3つのニーズを網羅する”船型開発”を推進します。
本検討に際しては、旭タンカーの電気推進タンカーを含む内航タンカーの運航経験、商船三井内航の省力・安全に関する技術支援、およびイコーズのアンモニア内航船の船舶管理ノウハウを受け、お客様のみならず、現場で働く船員にも喜ばれる船の建造を目指します。
当社は、お客様のアンモニアサプライチェーン構築の取り組みに貢献するとともに、電気推進船の運航をはじめとする先進船舶の開発・導入を通して内航海運の喫緊の課題である乗組員の労務環境改善と地球環境保全に取り組み、サステナブルな海運業を実現します。そして、更なる安全、且つ良質な輸送サービスを提供することによって我が国の社会・経済に貢献していきます。
【今後検討推進を行うコンセプト概要】
■サステナビリティ
項目 | 目的 | 施策案 |
① 省力 | 船員の負荷低減への寄与 | 機関作業陸上支援、荷役遠隔操作、係船状態自動監視等 |
② 安全 | 危険物輸送における安全率向上への寄与 | 障害物認知、離着桟支援、座礁モニタリング等 |
③ウェルビーイング | 船員の定着率向上と長期安定輸送への寄与 | 通信環境向上、居住環境向上、衣食環境向上等 |
■船型開発
項目 | 目的 | 施策案 |
①GHG削減 | 環境への貢献 | 燃料電池を含むアンモニア燃料導入検討 |
②汎用性 | 船型統一への寄与 | 港湾事情、需要を勘案した最適船型検討 |
③円滑荷役 | 安全・効率荷役への寄与 | 緊急遮断装置の導入検討等 |
<問い合せ先>
旭タンカー株式会社 新規事業室(E-mail: at107-shinkijigyo@asahi-t.co.jp)