社長挨拶
当社の株主様はじめステークホルダーの皆様には平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
当社、旭タンカーは2024年3月、創業73年を迎えました。戦前展開していた前身の石油事業会社から数えると113年の歳月を重ねています。20世紀は「石油の世紀」と言われておりましたが、当社はまさにその時代を石油とともに成長、発展してまいりました。その後、世界は様変わりし現在は「脱炭素社会」実現のために化石燃料由来のエネルギーから再生可能エネルギーへの転換が急速に行われようとしています。「脱炭素社会」は確実に実現されるべきですが、技術的な問題、コスト負担の問題、さらには世界の経済成長を阻むパンデミックや国際紛争などの社会的な問題により、脱炭素化への道が時に減速や方向転換を余儀なくされることは、昨今の情勢からも理解できます。
現代においてエネルギー供給は空気や水と同じように1日たりとも絶やすことはできません。代替エネルギーが定着するまで、石油産業の物流をしっかり支えることが第一の使命と考えております。そして代替エネルギーの海上物流にも今まで培った安全輸送の体制を十二分に活用しながら、これからの輸送ニーズに合った船舶を手当てしていく所存です。
他方、日本国内の労働人口減により、海運業界も船員不足という切実な問題を抱える状況に陥りつつあります。さらには運送業界が直面する、いわゆる「2024年問題」は物流という観点からすれば、内航海運業界にも少なからず影響すると考えざるを得ません。船員は職住が一体という特殊な環境での仕事ですが、四方を海に囲まれている日本にとっては、なくてはならない職業です。より働きやすく、より魅力ある職場に改善し、船員一人ひとりが「日本のエネルギー供給を支えている」という誇りをもって業務に従事できる環境を整えてまいります。
皆様のさらなるご指導、ご支援を賜れば大変有難く、よろしくお願い申し上げます。